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テニス部少女 第一章



久々のオリジナルです。

今回はテニス部に所属している二人の少女のお話。
二人共違う学校で、唯一の共通点がテニスだけと言う関係。そんな二人が合宿中に偶然出会い、物語が始まる。

※一話目はエロなし。








その日、清水葵(しみずあおい)は部活の合宿でメンバーと共に山奥にある宿へ訪れていた。
葵はテニス部に所属しており、今年は大会で優勝を狙う為にこの合宿をする事にしたのだ。とは言いつつも、合宿と言うのは建前であり、実際は宿泊値の豪華な食事や温泉などを楽しむのがメンバー達の真の目的である。


「もう……皆しっかりしてよ。私達は遊びに来たんじゃないのよ?」

「あはは、葵堅いよ〜。もっと気楽に行こうよ」

「……もぅ」


綺麗な黒髪をポニーテールで纏めた少女、葵はため息を漏らした。
浮かれたメンバー達に散々注意しても、逆に葵がお硬いと言われる始末。こんなんでは合宿の意味が無かった。


「はぁ……こっちは本気で優勝したいと思っているのに」


テニス部の中で、唯一葵だけが本気で大会の優勝を望んでいた。
他のメンバーとは違い、葵にとってテニスはお遊びでは無い。幼い頃からテニスだけを極め、テニスこそが人生の生き甲斐だった葵にとって、最早テニスは自分の生きている意味その物だった。
葵は周りとの温度差に疲れてしまい、目眩を感じた。

午前中、周りのメンバーが遊び半分で練習をしている中、葵だけが本気で練習をしていた。飛んで来るボールを何度も打ち返し、驚異的な集中力でラケットを振っていた。


「はぁ……はぁ……」


大半のボールを打ち返した後、葵はようやくラケットを手放し、その場に座り込んだ。何時間も激しい運動をしていた為、とうとう体に限界が来てしまったのだ。
しばらく葵はその場で体を休め、回復するとおもむろに立ち上がった。すると、誰からからの視線に気がついた。


「こんにちは。凄い集中力でしたね」

「え、あ……どうも」


葵に声を掛けて来たのはショートヘアーの可愛らしい女の子だった。葵と歳が近いのか、少し幼い顔立ちをしており、大人っぽい葵とはまた違った可愛らしさがあった。


「私、月下高校の香川翠(かがわみどり)って言います。貴方は城山高校の清水葵さんですよね?」

「う、うん……」


香川翠という名前には葵は聞き覚えがあった。
それは一年前、まだ葵が高校一年生だった頃、初めての大会で観戦していた時に翠の試合を見ていたのだ。翠は葵と同い年でありながら試合に参加しており、自分よりも歳上の人に勝っていた。そして見事、翠は大会に優勝したのだ。


「貴方、前回の大会の優勝者の?」

「はい。あの大会では貴方も居ましたよね。試合には出ていませんでしたけど」

「うん、私はまだ一年生だったから試合には出させてもらえなくて……」


葵は少しバツの悪そうな顔をした。
やはり試合に出る事が出来なかったというのは恥ずかしいのだ。


「嫌になりますよね。部活の上位関係とかって……大した実力も持ってない先輩に頭を下げなくちゃいけないとか、凄い神経使いますよ」


翠は先程とは違い、どこか気の抜けた声を出しながらそう言った。
その様子は明らかにさっきまでの翠とは違い、猫の皮を剥いだような性格になっていた。恐らくこれが翠の本来の性格なのだろう、と葵は思った。


「ところで私と一回勝負しませんか?」

「……え?」

「単なる遊びですよ。本格的な試合とかじゃなくて」


大会優勝者である翠からの申し出に葵は最初は戸惑った。だがこんな機会は一度しか無いと考え直し、その勝負を承諾した。
そして数分後、葵は汗だくになりながら肩で息を切らしていた。


「はぁ……はぁ……」

「良い運動神経してますよ。久々に良い汗掻きました」


翠も同じように汗を掻いていたが、葵とは違って息を荒くする事は無かった。
やはり大会優勝者は並とは違うらしく、葵はその事を身を以て経験した。


「それじゃ、私は宿に戻ります。一緒の宿みたいですから、また会う事があるかも知れませんね。ではまた」

「あ……さよなら」


それだけ言うと翠は葵と同じ宿へと戻って行った。その様子を見送りながら、葵はようやく体力が回復するとヨロヨロとふらつきながら宿へ戻って行った。

その夜、葵ははしゃぐメンバー達と共に温泉へと向かった。実は葵は温泉だけは楽しみであり、表情には出さなかったが内心ウキウキだった。


(温泉か……何年振りだろうなぁ)


葵はそんな事を考えながら脱衣所に入った。
脱衣所では既にメンバー達が互いの素肌を見てからかいながらはしゃいでいた。まだ温泉にも浸かっていないのにこのテンション。葵は皆に付いて行けなかった。
服を脱ぐと葵の素肌が露となった。すると葵の豊満な胸が現れ、メンバー達はそれに目を奪われた。


「うわー! 葵ったら相変わらず胸が大きいね〜!」

「羨ましいなぁ、私にも少し分けてよー!」

「ちょ、やめッ……揉まないでよ!?」


茶化して来るメンバー達の手から何とか逃れ、葵は温泉へと辿り着いた。
とは言っても温泉内は他のメンバー達もはしゃいでおり、とてもゆっくりとしていられる状況では無かった。仕方なく葵は人気の無い露天風呂の方へと向かった。


「はぁ……もう、せっかくの温泉なのに全然ゆっくりできないじゃない」


幸い露天風呂に居る人は葵だけらしく、葵はほっと安堵の息を吐いた。
そしてさっそく温泉に浸かろうとすると、岩陰に誰かが居る事に気がついた。


「あ、また会いましたね……清水さん」

「え?……あ、香川さん!?」


岩陰に居たのは香川翠だった。
まさかの人物に葵は驚き、思わず声を上げてしまった。


「翠で良いですよ。同い年なんですし」

「わ、分かった……じゃぁ私も葵で良いよ」

「はい、宜しくお願いします。葵」


何だか慣れない感じに葵は歯痒さを感じた。
やはり大会優勝者を前にすると緊張してしまうのか、葵はどうも翠と一緒に居ると変な気分になってしまった。ただそれが嫌な物では無い事は分かっていた。


「ところでいつまでそこに居るんですか?風邪引いちゃいますよ」

「あっ、そうだね……」


翠に言われ、葵はようやく自分が温泉に浸かっていない事に気がついた。そして葵は慌てながら温泉へと入り、翠と隣り合わせに浸かった。


「やっぱり葵も部活友達から逃げて来た感じですか?」

「うん、合宿なのに皆はしゃいじゃって……」

「アハハ。私の所もそうですよ。まぁ、気持ちが分からない訳じゃないんですけどね」


どうやら翠も葵と同じように友達の悪戯から逃げて来たようで、人気の無い露天風呂で隠れていたらしい。そこへ丁度葵が来たので、声を掛けたとの事だった。
何だか妙な共通点を見つけた二人は話しが合い、すぐに仲良くなった。


「それにしてもさっきのテニスは楽しかったですよね。やっぱ大会とかじゃなくて、あんな風に楽しめるテニスも良いなぁ……」


翠はどこか懐かしそうな顔をしながらそう言った。
そこには翠の本来の性格も少しだけ出ており、葵は翠にも色々と悩みがあるんだろうなと思った。


「またいつかしましょうね、テニス。葵とのテニスは凄い楽しかったですから」

「うん。私も……また翠とテニスしたい」

「そう言ってくれると嬉しいです」


葵が正直にそう言うと翠は嬉しそうに口元を綻ばせた。
そして二人はその後もしばらく会話を続け、やがてのぼせて来た翠が温泉を出ると言って来た。


「じゃ、私そろそろ上がりますね……また明日も、会えたら会いましょう」

「うん……じゃぁまたね」


翠が上がった際に、葵は嫌でも翠の素肌を見てしまった。
自分とは違い、かなりスレンダーな体格。けれどスタイルはとても良く、むしろ胸が無い分体の細さが強調されていた。
そんな翠の体に目を奪われていると、すぐに葵は正気に戻り、顔を赤くさせてしまった。



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